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人権擁護法案について(その4):で、人権って?

Diceです。 おやつが一週間連続でくずゆだったことがあります。
Diceです。 小学生のとき、お母さんが、6個50円のパックの卵を10円で1個だけ買ってきました。
・・・しょっぱかったとです。

 と、いきなり自虐ネタから始まったんだが、なんせ話自体がむちゃくちゃ堅いからねぇ、こうでもしないと冗談が入れられないんだよねぇ、ほんとに(半畳ーの山、リフジーンの谷っと)。

 で、いよいよ盛り下がってまいりました、人権擁護法案に関する話の続きなんだけど、いろいろなサイトや本を見て回った結果思ったのは"人権と言うのが、何に対して守られるのか"ていうのが案外知られていないんだなぁ、ということなんだよねぇ。
 このあたりをぐちゃぐちゃにすると、わかる話もわからなくなっちゃうと思うんだけど、どうなんだろうね。

 というわけで、今回は、そのあたりから考えてみましょうか、"諸君、単純な問いからはじめよう。 『そもそも人権とはなんですのん?』"

 さて、で、人権って誰が決めますのん?ってところからはじめましょうか。
誰が決めるの?法律?
 「表現の自由は法律に反しない限り、これを認める」(By 大日本帝国憲法29条、正確な文言は違う)
こんな例もあるんですがねぇ。

 それじゃあ、国が決めることにしましょうか。
 まぁ、さかのぼればフランス人権宣言や、ヴァージニア権利章典ぐらいまでさかのぼれるんだけど、現代の人権概念に最も近いものが、ドイツのワイマール憲法なんだよね。
 この憲法は画期的で、それまでの自由権中心の記述に加えて、なんと(と驚くことなんですよ、フランス人権宣言ですらこういう規定はなかったんだから)男女同権(109条の2)や、労働権(159条)なんかも含まれていたんだよね。
 しかし、このワイマール憲法があっても、ヒトラーの出現をとめることができなかったんだ、それはこの憲法に保証されている人権が、あくまでも国内の法律の元にあって、しかも、大統領が非常の場合に人権の停止ができるという例外規定が存在したからなんだよね(注1)。
 そこで、ヒトラーは当時の大統領に、"公共の秩序が乱される"と言う理由をもって「国民及び国家の危難緩和のための法律」(いわゆる全権委任法)を成立させて、次々とナチスと意見の異なる党派を弾圧していったんだよね。

 こういったことの反省も含めて、つまり
"国に決めさせるのでは結果として恣意的な利用を妨げることができない、だから、人類一般の権利として、人権を成立させよう"
と考えて、国連は「世界人権宣言」や、その実際上の規定である「国際人権規約」を成立させたんだよね。

 これで、「憲法に保障されているから大丈夫です」っていう、法務省の物言いがどれほど危ないものか分かるんだけど、さらに言うと、その"憲法"というのも、成立過程から考えると、
"国に対する立法上の制限"
である、っていうことが分かってないんじゃないかね。

 これもこのままじゃあ何のことだか分からないので、そもそもの話までさかのぼると、日本で鎌倉時代だった1200年代に、イギリスの王様がとんでもない圧政を敷いていて、それに対抗するために議会が
「マグナ・カルタ(大憲章)」(注2)
っていうのを成立させたんだよね、つまり、始まりからして国権(この場合は王権)に対する対抗策として、憲法、および立憲主義(人民による統治)っていうのは成立してるんだね。
 日本の憲法は「~する権利を有する。」っていう言い方になってるから、つい国民の側の権利だと思いがちだけど、あの条文は「~する権利を有する(だから国はこれに反する法律、制度を作ってはならない)」ってのが、全ての条文に省略されてるんだよね。

 さらに、これは私が何回も言っていることなんだけれど、
「民主主義が多数決を"手段として"取らざるを得ない以上、その下には多数の少数意見が(もちろんとんでもないものも多いだろうが、より良いものも含まれる)圧殺されている。」
 んだよね、つまり、民主制が巨大化して、多数決を取らざるを得ない以上、すでに自由な意見に対する選別は行われているんだよね。

 ん?と思った人は鋭いです。
 これら三つの話は実は全部つながってるんだよね、だって
"発言の自由って考え方っていうのは、民主主義の考え方から出ていて、議会の発言の自由を国王の権力から守るために憲法というものが考え出され、それが次第に人権として個人の発言の自由に拡大していった"
んだからね。
ので、"人権を守るために発言の自由は制限されるべきだ"っていうのは、突き詰めると自己矛盾に陥るんだよね。

 これらを総合的に勘案して、私は
1 事前に規制をかけることはもってのほか、事後の批判、意見は自由にする。
2 さらにそのことで傷つく人がいることを認め、事後の救済を第1に考える。
3 属地、無知による差別発言に対して、事前の強制力でこれに対処しない。
4 属地の多重性を確保するよう、教育、啓蒙活動は自由であるとする。
5 そのための機関は政府から独立のものとし、財政的基盤も独立してもつこととする。
6 その機関にはあらゆるマイノリティ(在日、障害者、被差別部落、アイヌ、琉球人、右翼、左翼、芸人、オタク、国粋主義者、勝ち犬、負け犬、UFOは実在する、ユダヤの陰謀、国の経済規模は拡大しなければならない、少子化は悪だ・・・etc)の意見を聞けるような委員会を設置する。
7 人権救済機関とは別に、政府から独立の機関として、憲法裁判所を設け、違憲かどうかを判断する。
としたほうがいいんじゃないかねぇ、と思うんだけど、どうだろうね。

 あ、このなかで、3、4番のことを説明してないけれど、長くなりそうなんだよねぇ、だから、今回はここまで。

注1

ワイマール憲法第48条
1 ある憲法または法律によって課せられた義務を履行しないときは、大統領は、武装兵力を用いてこの義務を履行させることができる。
2 ドイツ国内において、公共の安全および秩序に著しい障害が生じ、またはそのおそれがあるときは、大統領は、公共の安全および秩序を回復するために必要な措置をとることができる。この目的のために大統領は一時的に第114条(信書・郵便・電信電話の秘密)、第118条(意見表明の自由)、第123条(集会の自由)、第124条(結社の自由)および第153条(所有権の保障)に定められている基本権の全部または一部を停止することができる

注2 
現在効力を有するのは前文のみであるが、1条にイギリス国教会の自由、39条に自由人の人身の自由が規定されている。

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Comments

ちょっと最後の部分に言い損なったことがあったので付け足しました。
 また、注2の文が分かりにくかったので訂正をしました。

Posted by: Dice | March 30, 2005 at 09:12 AM

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