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読書メモ「D響アワー」:『環境』

 どうも今週と来週(つまりゴールデンウィーク期間中)はとてもじゃないけどブログを更新しているひまがないので、以前に書いておいた読書メモでも公開してみようかと思います。

 それでは、今回は『環境』(諸富徹、岩波書店、知のフロンティアシリーズ、2003)のメモから、パットナムの社会関係資本の部分を。
 ("Diceの演奏、2003年、NHKホールでの演奏会から、お聞きいただきましょう。"って続けたくなるな、『N響アワー』みたいだ。)

 あ、いうときますけど、正確に知りたい人はちゃんと本を買って(あるいは借りて)読んでくださいね。
かなりはしょって要約しているので。

 民主主義の制度そのものを支える"社会関係資本"について、実証的な研究を行い、センセーションを巻き起こしたのがパットナムである。
 彼は著作「民主主義を機能させる」(邦題『哲学する民主主義』NTT出版、2001)において、イタリア各州における政府制度のパフォーマンスを調べ、そこに明らかな南北格差があり、それが社会における市民共同体への参加率に関係があること、参加に関する伝統的要素が非常に強固であることを示し、何が原因でその差が生まれているかを説明するために、"社会関係資本"の概念を導入する。
 それによると、南北格差を生じさせている"社会関係資本"とは、"社会の成員間での「信頼」や「互恵性」に基づいて形成されるネットワーク"のことである。(要は人間関係と連帯感、日本でいう『ムラ社会』のこと) この社会関係資本が、厚みを持って存在していると、相互扶助組織(講とか無尽とか)が円滑に運営できる。
 しかし、これは資本であるから、そこに対する投資がなされなければ、次第にストックは減少し、減退がさらに投資の減少を呼ぶ悪循環に入ってしまう。 イタリア南部で起こったのはまさにこの悪循環である。

 そして、これが「持続可能な発展」に対して重要だと思われるのは、それが制度を支え、ひいては社会的共通資本のパフォーマンスを引き出すというだけではなく、直接に福祉水準(特に主観的な効用)に寄与できる可能性があるからである(要するに暖かいご近所づきあいや人間関係が築けていたほうが貧乏でも幸せだよねってこと)。

 ところで、このように信頼関係や、人間関係を資本として捉えることには、どのような意味があるのだろうか、事実ノーベル経済学賞受賞者のロバート・ソローや、ケネス・アローによって、資本としてとらえることは、その「無形性」とくに投資に対する無形性があるので難しいという批判がなされている。
 しかし、ネットワークをストック、信頼や互恵性を獲得する行為を投資としてとらえれば、この問題は解決するので、根本的な問題とは言えない。
(で、この信頼や互恵性を獲得する行為っていうことは、付け届け、盆暮れ正月の挨拶はきちんとしておけっていうことになるんだわ、これは、今日本で進みつつある"能力主義"とかいうのとも関係があると思う)

 とまぁ、こんな読書メモを作ったりしてはいるものの、それでどうにかなるとは限らない。
 
 

 

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