優しい官僚のためのPSE問題。
さて、"アンチS価狂い"だと思わせるところまで持っていって自分のはしごを外したわけだが、皆さんお元気でしょうか。
正直もう少し他の宗教と仲良くしてくれればS価なんてどうだって良いよ。
さて、遅まきながらPSE問題について少し話題にしてみよう。
結論だけ先に書くと「法律としては良く出来てるが、中古販売を含め、ビンテージは除外とか言った時点でOUT。」といったところだろうか。
で、法律としてはよく出来てる、ていうのがどういうことか、といったあたりから書いてみようかと思う。
今回は、そんな、お話。
法律として、よく出来てる、ていうのは、さまざまな「トラップ」がうまく配置されている、ということね。
さて、どんなトラップが配置されているか、というと。
まず、「工業所有権、知的財産権の"消尽論"が使えそうな体をうまく使い、なおかつ消尽論が使えないという判断を引き出している。」(ただし、商標その他において、まるっきり問題がないとはいえない。)
これはつまり、一見"消尽"の理屈に近いことをしながら「安全確認」は別に財産ではないので消尽はしないということだね。
えっと、"消尽"てなんでしょか、というと、特許、商標などで、いったん輸入業者が販売をしたら、その時点でその特許、商標などの権利が消滅する、ということで、要は「何回も転売される商品は一回目しか特許料を取れないことにしよう」ちゅうことね。
しかしこれは"中古販売を含む"としたことでこの"消尽しない"事がとてつもなく煩雑な手続きを生み出すことにつながっている。
これが反対の方々のおっしゃる(という言い方をしてるから"賛成派"というわけではないよ、念のため。)「検査のための天下り機関」、「今までは不要だった検査機械の販売」といったことにつながるわけだね。
ところが、音楽業界その他の反対をいなすために、"ビンテージ物を除く"と言い出したことが、この法律に齟齬をきたす羽目になったわけだ。
なぜか、というと、「ビンテージ物云々」をいわなければ今だって良心的なリサイクルショップ、中古家電販売店では、外観、一通りの動作チェックぐらいはしているのが当たり前なんだから(私も中古ゲームショップなどで働いていたことがありますし。)
「まぁ検査項目が増えて検査の機械も買わなくちゃいけないけれど、ほんとに耐圧試験で危なそうなものは"骨董品""インテリア"扱いでお目こぼし」
という、どうしようもないシナリオがまかり通るはずだったんだよ。
ところが、ビンテージ物を除く、とかいっちゃったために、「安全確認」が何のための、誰のためのものだかさっぱりわけがわからない状態になっちゃったし、実質上の「販売許認可天下り事業」であることがばればれになっちゃった。
次に「中古品を含むとはどこにも書いていないが、官報、旧法その他から、"法文解釈上は"中古販売を当然に含むという結論を引き出し得る。」
これの大前提として「法律というものは、膨大にあるもんだから"変わったのを知りませんでした"っていって言い逃れされちゃぁかなわんよな」というのが、法律の実務家の間ではデフォルトであるということを知っていてもらいたい。
で、この法律の場合、旧法下でも「以前の商品についてはそれを引き継ぐ」という趣旨の条文があり、また「中古品の販売も含まれるかも」みたいな話を官報に載せていた、ということで、法文解釈上は「周知」が図れた、とすることも可能なんだよね。
さはさりながら、じゃぁこの法律がいきなり一般人の前にさらされて、同意を得られるような内容か?といわれると、そんなこたぁないだろう、とも思うんだよねぇ。
そこで、この法律が一体なんでこんな混乱した状況に置かれることになったか、ということを私なりに推測してみると。
最初は「環境などにも配慮したいので、ノンフロンの白物家電を普及させたい」
とかいう話だったはずが、
「新品需要が伸び悩んでいるみたいなので、メーカーのPL法逃れも含め、中古白物に網を掛けたい」
「"2007年問題"とか話題になり始めてるし、削減しなきゃいけない経産省の先輩の再就職先(とついでにロートルエンジニアの雇用)を作りたい」
「どうせだったら規制緩和してるふりをして、許認可事業で儲けも出したい」
といったことをひとつの法律でやろうとするからこんなことになったんじゃなかろうか。
さて、最後に「立法政策として考えてみると、新自由主義っていってるのに、こんな"大きく網を掛けてお目こぼしで権力掌握を維持しようとする"警察官僚みたいなことをするのは、いかがなものでしょうか?」
とだけいっておいて、今回のお話は、ここまで。
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Tracked on May 15, 2007 at 02:51 AM

Comments
>こんな"大きく網を掛けてお目こぼしで権力掌握を維持しようとする"警察官僚みたいなことをするのは、いかがなものでしょうか?
Oh!今にして思えば共謀罪ってソレだったんですネ。
http://d.hatena.ne.jp/pavlusha/20060514#p1
Posted by: ライター2 | May 14, 2006 at 02:52 PM
>高架下の人たち。
別にどうもならんのじゃない? 高架下の近所にあるパソコンソフトの店みたいにコピーソフトで時々挙げられるぐらいで。
本文にも書いたけれど、道交法の例を見るまでもなく日本の警察機構ってのは「お目こぼし」で権力を維持する仕組みになってるんだから。
で、それをやめて法律至上で行くつもりなら、「思想・信条による仲間意識」でグループをつくることも止めねばいかんのやけど・・・。
Posted by: Dice | March 31, 2006 at 12:37 PM
まじめな話すると、元町の高架下の人たち、どうなるんですかね?
Posted by: ライター2 | March 30, 2006 at 11:13 PM
>ライター2氏
ワハハ。
ええんとちゃいますか。 やたら「勝ち負け」にこだわるから、勝負事には有効かもしれませんよ。 私は嫌いだけど。
それにしてもあなたもそんなところにコメントせんでも良いでしょうに。
Posted by: Dice | March 26, 2006 at 11:23 AM
>"アンチS価狂い"
神戸市長田区出身、神戸国際大付属高卒の元WBA世界スーパーバンタム級チャンピオンの佐藤修さん、世界タイトル獲得のリングでは「人生の師の池田先生」に感謝の言葉を捧げていたことでも有名ですが、引退後にタレント転向。つけた芸名がこともあろうに“蓮ハルク”ですよ!
http://www.stardust.co.jp/file/profile/ren.html
Posted by: ライター2 | March 25, 2006 at 11:05 PM
>ライター1氏
ヴィンテージ特区。 いいですね。
北海道新聞あたりから「道州制」の話が始まってますけど、道州制みたいな地方分権って、特区や法律、その他で日本を「まだら」にしていくはずなんですよね。
気にいらんのやったら他のとこ住め、と。
奈良県の超厳格補導条例もその流れの一環のように思います。
ただ、記事にも書いたようにその施策が権力機構を強化するほうにのみ働いていく、というのはやっぱり少し問題ですね。
あと裁量権に関しては、選択肢がないまま選べっていわれてもねぇ。
もっと政治家(及びマスコミ)の皆さんには「立法過程において"どういう選択肢がありえるのか"」を示してもらいたいですね。
Posted by: Dice | March 25, 2006 at 07:29 PM
でも2001年にリサイクル法が施行されてますよね。企業が環境税をいつの間にか支払っているという状況は一消費者として非常に楽な気分にさせてくれていたのですけれど。産廃等の問題と絡ませない今の報道は正直どうでもいいです。
あと、ポストモダン法から見れば良い法律ということですね。大阪はヴィンテージ特区とか作ってヤマダ電気に対抗して欲しい。
日本の政治家にしても官僚にしても「新自由主義」って自分たちからは言わないですよね。これは裁量権は有権者にあるという事をまずは示すと思うのです。責任をとりたくないんでしょうけれど。
Posted by: ライター1 | March 25, 2006 at 02:19 PM