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2005年11月30日 (水)

そして、ハートランドへ(ブッシュのアジア歴訪 Ⅲ)

前回見たように、ゼーリック国務省副長官は、中国が「responsible stakeholder」として国際秩序の維持のために積極的役割を担うことを期待しています。一方、鄭必堅・中国改革フォーラム理事は「中国は既存の国際秩序に挑戦することはない」と述べています。

中国の国際社会での責任ある役割といえば、まずは6カ国協議での議長国としての働きが思い浮かぶでしょう。今年9月には共同声明を採択し、平和的手段による朝鮮半島の非核化を実現と、停戦協定に替わる平和体制の構築が謳われました。文字通り、画期的と言ってもいいでしょう。

アメリカと北朝鮮の間には今でも埋めがたい意見の相違がありますが、アメリカの態度は以前に比べ、ずいぶん軟化したように思われます。今年6月に行われた米韓首脳会談ではブッシュ大統領が「ミスター金正日」と敬称をつけて呼びました。さらに北朝鮮がアメリカによる「圧制の拠点」呼称の撤回を求めて以降、ライス国務長官はインタビューに答えて「北朝鮮の体制は“見ればわかる”」というふうに、直言するのを控えるようになりました。こうして平和的手段による朝鮮半島の非核化を交渉するための素地が生まれたのですが、ここでは地域の安定に責任を持つ国家としての中国の仲介も大きな役割を果たしたと思われます。

一方、鄭必堅氏の言う「既存の国際秩序」とはどのようなものでしょうか。このヒントになるのが、今年7月初めにモスクワで発表された「21世紀国際秩序に関する中露共同声明」でしょう。ここでは「世界の多極化と経済のグローバル化は現在の人類発展段階の重要な趨勢となっている」と示されています。鄭氏は「多極化」という言葉を直接には使っていませんが、「既存の国際秩序」という言葉のなかに、それが多極化へと向かっているという認識が含まれているのかもしれません。だとすれば、当然のことながら、中国が多極のなかの一極となることを目指しているのでしょう。

さて、前述したように、朝鮮半島の非核化をめぐってはアメリカが態度をかなり軟化させました。しかし、最近、アメリカ政府から強硬な発言が相次いでいます。まずは11月6日、訪問先のブラジルでブッシュ大統領が“ミスター金正日”を再び「暴君」と呼びました。さらにAPEC期間中、6カ国協議主席代表のクリストファー・ヒル国務次官補が北朝鮮の存在目的に疑問を発したと伝えられています(ネット上で記事は見つかりませんでした。密かに撤回されたのかも知れません)。こうした発言は短期的には北朝鮮に譲歩しすぎだ、という議会からの批判をかわすためのものと見ることもできるかも知れません。しかし、長期的な原因も存在していると考えられます。民主主義という価値観を持ち合わせていない国家の体制を維持したまま、東北アジアの平和体制を構築することが果たしてできるのか、そして、可能だとしても、そのようにして形成された地域秩序がアメリカの国益に適うのか、そこでアメリカの影響力が維持できるのか、という疑問があるのではないでしょうか。

今回のブッシュ大統領のアジア歴訪の最終地はモンゴルとなりました。ここでもブッシュ大統領がイラク戦争への協力とともにモンゴルの民主主義の発展を大いに賞賛しました。モンゴルには先月、ラムズフェルド国防長官も訪問しています。人口300万の小国にアメリカ要人が相次いで訪問するというのも珍しいことではないでしょうか。

実は、ブッシュ大統領がウランバートルの地を踏んだ11月21日、ウズベキスタンでは駐留アメリカ軍の撤退が完了しています。これに先立つ今年7月、中露両国と中央アジア諸国からなる上海協力機構(SCO)が中央アジアにおける米軍駐留に期限を求める声明を発表しています。先月訪中したラムズフェルド氏もSCOの意図について質問したと外電は報じていますが、これは中国や日本のメディアではまったく報じられていない点です(もっとも中国では海外要人との会談では常にポジティブな面しか報じられないのですが)。

こうした事実を踏まえると、アメリカのモンゴル重視の意味がよく見えてきます。『新京報』『環球時報』、シンガポール『聯合早報』などがアメリカにとってモンゴルの地政学的重要性が上昇しつつあることを論じています。しかし、これは裏を返せば内陸アジア全体におけるアメリカのプレゼンスが減退しつつあることを示しているのかもしれません。

さらに、モンゴルも中露両国との経済の結びつきや安全保障上の理由から、アメリカ一辺倒政策を採ることはできません。現在、モンゴルのエンフバヤル大統領が27日から来月3日という長期にわたって中国を訪問しています。29日に「中蒙共同声明」が発表されました。ここでは、中蒙二カ国および中露蒙三カ国の協力の深化と、東アジア地域の一体化への参与が謳われています。

ゼーリック氏はARF(ASEAN地域フォーラム)やAPECなどアメリカが参加する枠組において中国との協力関係を訴えたのに対し、鄭氏は『フォーリン・アフェアーズ』で発表した論文で東アジア共同体形成プロセスからアメリカを排除するものではない、と述べています。いずれにしろ、この地域で中国と米国が上手く協調できるか否かが地域の安定と民主化の鍵となりそうです。

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2005年11月27日 (日)

アメリカの対中政策をめぐって(ブッシュのアジア歴訪 Ⅱ)

今回は、中国がアメリカの対中政策をどのように考えているのかということを考えてみたいと思います。

ブッシュ訪中を前に新華社が対中政策について長い分析記事を書いています。訪中後も『中国新聞週刊』誌が特集を組んでいます。ともに最近のアメリカの対中政策のキーワードとして、9月21日にゼーリック国務省副長官が行った講演のなかの「責任を負う利害関係者(responsible stakeholder)」という言葉を挙げています。ちなみにゼーリック氏の講演の全文はこちらです。

この講演は、中国改革フォーラム理事・鄭必堅氏の提起した「和平的台頭(和平崛起)」論に対する一つの反応であると見なされています。鄭氏は2004年4月、海南島ボアオで開催されたボアオ・フォーラムで正式に「平和的台頭」という概念を提起し、諸外国に広がる「中国脅威論」を打ち消す役割を担っています。アメリカ『フォーリン・アフェアーズ』誌にも今秋、鄭氏の論文が掲載されました(日本でも『論座』10月号にて翻訳されたものが読めます)。

ゼーリック氏は講演において、過去30年のアメリカの対中政策は中国を国際秩序に取り込むものであったと概括したうえで、今後は中国に、責任ある大国として国際秩序を維持するために、アメリカと協力しながら働くことを求めています。中国の多くのメディアはこうしたアメリカの対中政策の変化を「中米関係はよりプラクティカルなものになりつつある」と評し、好意的にとらえているようです。

ブッシュ大統領の中国訪問中、『ニューヨーク・タイムズ』紙が社説で、中国に対して「新・封じ込め政策」をとっているとして、アメリカ政府を批判しましたが、国務省のエレリ報道官はプレス・ブリーフィングで新華社記者の質問に対し、「アメリカは中国が台頭する大国だと認めている。中国はアメリカにとってライバルというより、パートナーと言った方がよい。アメリカは中国が世界の平和と繁栄に対し、建設的な役割を演じるように求める」と答えています

さて、ブッシュ訪中後、今度はゼーリック氏の演説に反応し、鄭必堅氏が『人民日報』に論説を発表しています。

これは主にソビエト共産党と中国共産党との違いを論じたものになっています。1979年にソ連がアフガン侵攻を始め、“世界革命”の名の下に軍事的覇権を確立しようとしたのに対し、中国共産党はグローバリゼーションと連携して中国の特色ある社会主義を建設する道を選んだとし、中国は既存の国際秩序に挑戦するつもりはなく、社会主義市場経済と社会主義民主政治を発展させていくと主張しています。

ゼーリック氏の講演が、アメリカの関与によって中国が国際秩序に取り込まれ、それが今日の中国をかつてのソ連と違うものにしたと主張しているのに対し、鄭氏が中国共産党とソビエト共産党が違う道をたどることになった原因は社会主義に対する理解、および歴史文化の伝統の違いによると、その自主性を強調している点は興味深いことです。また、「中国共産党が力を持っているのは、(領土主権の完全と近代化という)中華民族の二大歴史的追及を最も忠実に代表しているからだ」とも言います。ともかく、「和を以って貴しと為す」中国はソ連と違って、対内的に専制を行ったり、対外的に拡張したりはしないという主張です。

しかし、鄭氏は「当然、現在の国際秩序にも不合理な部分は多々ある。しかし、我々は何か他の方法によってではなく、改革という方法によって、国際政治経済新秩序を建設していくことを主張する」とも述べています。こうした主張の背景にあるものは何でしょうか。また、アメリカはこの主張をどのように受け止めるのでしょうか。

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2005年11月25日 (金)

ブッシュのアジア歴訪 Ⅰ

胡錦濤主席の訪朝から、秋の活発な外交活動が始まりました。北朝鮮から帰国してすぐに訪越し、さらに欧州三カ国(英・独・スペイン)訪問、そこから韓国に向かい、釜山APECに出席した後に帰国、今度はホストとしてアメリカのブッシュ大統領の訪問を迎えました。

ブッシュ大統領もこの時期、活発なアジア外交を展開しており、日本・韓国を訪問、APEC出席後に訪中し、その後、モンゴルへと向かっています。

実は、ブッシュ大統領はアジア歴訪前に関係国メディアのインタビューを受けています。そこでは悪化した日中・日韓関係について次のように述べています。

No question that there's tension. On the other hand, if you look at capital flows between Japan and China, there is a significant amount of investment taking place, which indicates to me that there is a possibility for the relations to improve over time. In other words, not all aspects of the relationship is negative.

「緊張があることは疑いないが、日中間で莫大な投資が行われていることなどを見れば、全ての側面が悪化しているとは言えない」という立場です。これは日本の小泉首相の言うことと似ている部分もあります。しかし、韓国KBSや日本NHKとのインタビューでは次のようにも言っています。

I am aware of the friction caused by the Prime Minister of Japan's decision.[...]And I understand the sentiments of the South Korean people; they're still angry about the past. And so there's a natural reaction, when they view a decision made by the Prime Minister. (日本の首相の決断により引き起こされた摩擦に注意している。いまだ過去に怒りを感じている韓国の人々の心情は理解している。日本の首相の決断を目にした彼らの反応は自然なものだ)

But the Prime Minister is a savvy man, and he is a smart man. And he knows very well that it requires work to get past old grievances.(賢明な小泉首相は古いわだかまりを過去のものとするための努力が必要なことを知っているだろう)

またブッシュ大統領は「自分にできる役割がある」としきりに主張しており、こうした発言が訪日にどのような影響を与えるのかと憶測を呼びましたが、日米首脳会談後の記者会見では「強固な日米同盟が地域の安定の柱」と言い、京都での講演では日本と韓国、そして台湾の名を挙げてアジアにおける自由と民主主義の発展を賞賛しました。こうした発言は中国政府の神経を逆撫でするものだったのではないでしょうか。

さて、中米首脳会談では、人民元改革や貿易摩擦、知財権保護、鳥インフルエンザの拡散防止のための協力、朝鮮半島の非核化に向けた6カ国協議での協力など実務的な話し合いのほか、やはりブッシュ大統領が宗教の自由や政治活動の自由の拡大を要求する場面もあったそうです。ここではブッシュ大統領がチベット亡命政府のダライ・ラマを北京に招くように提案したとも言われています。さらに、ブッシュ大統領が中国と日本が“未来志向”の関係を持つよう、胡錦濤主席に態度の軟化を求めたとも伝えられています。

アメリカの一連の動きは中国に対する牽制とも感じられますし、日中関係の悪化を食い止めるにしても中国側の態度の変化を求めているようにも見えます。

ところが、ロイターによるとAPEC期間中、クリストファー・ヒル国務次官補は次のように発言したといいます。

"We want Japan to have a good relationship with China," he said. "And it's a little frustrating to us, to the U.S., how bad the relationship has become between Japan and China over these historical issues."

"It doesn't help us that when we have relations with Japan, people think, 'aha, that's an anti-Chinese move'," he added. "That's not in our interest."

ここでは日中関係の悪化の原因を歴史問題としたうえで、日本に関係を改善することを求めています。さらに関係の悪化が続くことは「いらだたしい」、アメリカと日本が関係を持つことによって反中国の動きだと思われることは「アメリカの国益ではない」と述べられています。

これはブッシュ大統領とヒル次官補の個性の差(ちなみにヒル次官補は駐ポーランド大使の経験があります)から、ホワイトハウスと国務省の役割分担(あるいは意見対立?)まで、色々な見方ができそうな発言です。何はともあれ、アメリカ高官が日中関係の悪化を、自国の利害と絡めて公の場で発言したことの意味は重いのではないでしょうか。

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2005年11月24日 (木)

<ライターのつぶやき>その1

先週から今週にかけて、外交・内政、また社会問題で大きな話題になるものが連続しました。

当ブログは週2回程度の更新を心がけているのですが、短期間にこれだけ大きな話題が続くと、どこからとりあげていいものやら。そうこうしているうちに新たな話題が現れて……。

こうなると更新する意欲が段々と減退してきます。

何やらホームレスの社会復帰の難しさと相似であるようにも思われますね。落ちるときは一段一段と落ちていくのに、復帰するときは一気にキャッチ・アップしなければならないところなどが。

ブログは25日より更新します。現実の生活でも転落しないように気をつけましょう、と自戒。

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2005年11月15日 (火)

「憤青」をめぐる論争

『瞭望東方週刊』で「中国憤青の真実の生活」という特集が組まれました。「憤青」とは「憤怒青年」(怒れる青年)の略です。彼らは主にインターネット上で反日や反米を掲げて活動しているといいます。『瞭望』誌はこうした憤青数人に実際にインタビューを行い、彼らの生活を紹介しています。中国の紙媒体で正面から憤青を扱ったのは、これが最初だと言われています。

英字紙では、英『ガーディアン』のこの記事を読むと、憤青のイメージがよくわかります。

『瞭望』の特集を受け、11月13日に『南方都市報』が「中国憤青の恐るべきアウトローの論理」というコラムを掲載しました。これによれば、西洋の「怒れる青年」が怒りを向けていたのは伝統的モラルなど、社会内部に向けたものだったのに対し、中国憤青はただの排外主義だとして偽物と呼びます。彼らがネット上で活動するのは彼らがバーチャルな集まりだからではなく、反日・反米が国策ではないことと、人々には公認されないような、怒りをもって成し遂げようとする「愛国主義」だからだと指摘します。またコラムは、彼らが国内の社会問題に興味を持たないばかりか、中国脅威論に根拠を与えるような活動をしているとします。歴史が憎しみの材料でしかなく、未来は復讐の機会であると考える憤青はアウトローの理論を信奉していると厳しく批判しています。

翌日の『華商報』は「中国憤青のどこがアウトローか」と題するコラムを掲載し、『南方都市報』のコラムに反論しています。『南方』が憤青を偽物と呼んだことに対し、憤青という概念が時代とともに外延を伸ばしてきたと主張し、最近の最大の特色はインターネットの登場だとします。ネットの世界ではタブーを気にせず、自由に言いたいことが言える、確かに匿名のために過激な言論はあるが、それをもって全体を代表させるべきではないと擁護。また、彼らの排外主義的言説の背後には「我々は誰なのか」という、アイデンティティーを求める渇望があるのだとします。そしてプライバシーを侵害したり、国家の安全を脅かすのでなければ、たとえ奇異で極端な表現であっても、それが存在する空間を与えるべきではないかと問いかけます。そして、憤青のような言論も中国社会がより自由な方向に向かっていることを説明しているのではないかと指摘しています。

しかし、言論の自由とヘイトスピーチ規制のバランスをとることは難しい問題かもしれませんね。

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2005年11月11日 (金)

五輪マスコット

北京五輪のマスコットが決定しました。

名前は「福娃」(Fuwa フーワー)。こちらで紹介されています。英語では「Friendlies」というようですね。

左から魚の「貝貝」(Beibei)、パンダの「晶晶」(Jingjing)、聖火の「歓歓」(Huanhuan)、レイヨウの「迎迎」(YingYing)、燕の「妮妮」(Nini)というそうです。みんなの名前の一文字を順番に読んでいくと、Beijing Huanying Ni、北京歓迎你、つまり「ようこそ北京へ」という意味になります。この五体はそれぞれ、海、森、炎、大地、空の象徴でもあり、オリンピックの五輪の色も表しています。

さらに「魚」は「余」と同じ発音で、「十分にある」ということ、つまり貝貝は「繁栄」を表します。また晶晶は「楽しさ」を表し、歓歓は「情熱」を、迎迎は「健康」を表しています。妮妮は「幸運」をもたらす燕であると同時に、燕京(北京の旧称)を表すそうです。

意味をいろいろ詰め込みすぎてるような気もしますが、はたして人気出ますかね。

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2005年11月 6日 (日)

中露の蜜月

11月4日、中露総理第十次定期会合の共同コミュニケが発表されました。全文はこちらです。

『河南日報』が要点を押さえた記事を出しています。それによれば、●中国石油天然ガス集団公司とロシア・パイプライン運輸会社がロシアから中国への原油パイプラインの設計・建設の問題を研究することを支持する。双方は、ロシアから中国鉄道への原油供給の安定性を保障するように努力し、原油供給量が2006年から毎年1500万トンを下回らないようにする。●積極的に両国の天然ガス領域での協力を進め、ロシアの西シベリア及び極東から中国へのガス供給プロジェクトの研究・実施を早めることを支持する。

●中国とロシアの宇宙領域の協力関係を深化させる。宇宙協力分委会が責任を持って、中露宇宙領域2007年及び今後数年間の協力要綱を起草し、第七次例会で通過させる。宇宙領域の共同大型プロジェクト協力に重点的な関心を払う。月および深宇宙領域での双方の協力の可能性を探求する。双方の専門家が責任を持ってできるだけ早く共同開発と大プロジェクトの実行の可能性の研究する――が主な内容だということです。

最近、中露両国は政治・経済および安全保障の分野で非常に関係が深まっていますが、共同での月探査まで議題にのぼるまでになったようです。来年2006年は中国におけるロシア年、ロシアにおける中国年で民間交流も活発になりそうです。

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2005年11月 3日 (木)

キムチ戦争と韓流ドラマ

最近、中国と韓国との間でキムチの安全品質に端を発した貿易摩擦が発生か、という報道がありましたが、韓国『朝鮮日報』の記事によれば、話し合いで解決する方向で収まりそうです。しかし、『東方早報』記事は去年、中国が韓国にとって最大の貿易相手になったことから、韓国の処理の仕方は慎重であったし、WTO加盟国である中国も国際ルールに則った処理をするべきだとしながらも、貿易量とその範囲の拡大にともなって両国間の摩擦は避けられないだろうと予測しています。

それはともかく、中国では韓流ドラマが大人気です。中国の韓流ブームは随分以前から始まっていましたが、『大長今』(日本では『チャングムの誓い』)が放送されたことから、新たなピークに達したようです。その中で『人民日報』に「韓流ブームは我々に何をもたらしたか」という論評が発表されました。論評は韓流ドラマの流行の原因を幾つか挙げています。「真・善・美の追求を思想的テーマにしており、社会の真理と人生の哲理を伝え、東方の伝統的美徳と現代のトレンドが融合し、人々が自身の美しい生活を追及することを激励している」、「韓流ドラマの多くは普通の人々の生活を描写したもので、それが人々の共鳴を呼んだ。韓流ドラマには、現実に近づき、生活に近づき、大衆に近づくということが十分に表されている」などのほか、「中韓には二千年以上の交流の歴史があり、生活方式、審美観、道徳観が非常に似ており、このような韓流ドラマに含まれる東方文化のルーツの親和力がさらに国人をブームに感染させた」とします。論評はさらに「韓流ブームに直面して、我々も群衆に喜ばれる形式と内容で中華民族の優良な伝統を発揚し、社会主義調和社会を建設するうえで大衆文化に積極的作用を発揮させるべきである」と結んでいます。

『温州晩報』記事『北京晨報』記事でも韓流ドラマはリアルで、ドラマの中で表現される倫理道徳は教育にもいいという見方がなされています。マスメディアだけでなく、ブログや掲示板を見てみてもこうした意見が多数出てくるようです。また、沈文彬氏のコラムのように儒教道徳の源流である中国でこのようなドラマを作れないことは反省すべきだ、という意見もちらほら見られます。

中国の隣国、日本も韓流ブームですが、日本ではこのような見方はなかなか珍しいんじゃないでしょうか。

しかし、もし「キムチ戦争」が勃発すれば、韓流ブームにも何かしら翳りが出てくるかもしれませんね。

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2005年11月 1日 (火)

第三次小泉内閣

中国の隣国、日本で内閣改造が行われました。

中国ではやはり、官房長官に安倍晋三、外務大臣に麻生太郎とタカ派政治家が主要なポストに着任したことが注目されているようです。実は、中国が特に反対しているのが首相、官房長官、外相の靖国参拝なのですが、今回の人事は中国の反発に正面から牽制を加えるものと受けとめられるのではないでしょうか。

『東方早報』の記事では、麻生外相が小泉首相から渡された紙に書いてあった6項目の任務のうち、日中関係が最後に置かれていたことに注目しているようです。さらに麻生外相が日中・日韓関係は同じような問題に直面しているが、日韓間では(民主主義や自由経済などの)価値観は接近しているので、問題を解決するには日韓・日中は区別して対応しなければならないと「放言」したと報じています(外務省HPに就任記者会見の原文があります)。

日中と日韓を区別するというのは、中国にとって苦い思い出を思い出させるものかもしれません。1998年、日韓両国・日中両国はそれぞれ新たな共同宣言を発表するのですが、「日韓共同宣言」では歴史問題について「痛切な反省と心からのお詫び」が表明されたのに、その後に発表された「日中共同宣言」では「深い反省」という文言しか入れられませんでした。この差異は日韓では民主主義や自由経済など価値観の共有ができているが、日中ではそうではないということによるものだと言われています。

今回の内閣改造以前に、若者向けの大衆紙ではありますが『華夏時報』では「小泉の参拝善後策:韓国をなだめて火力は中国に狙いを定める」という記事が出されています。日本が中国と韓国を区別して対応するのではないかという観測が中国にもあるようです。

果たして、この観測や麻生外相の示唆は現実のものとなるのでしょうか。

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