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2006年2月16日 (木)

中国のネット規制

少し時間が空いてしまいました。

さて、中国でメディアやインターネットに対する規制が強化しつつあることが欧米や日本のメディアで報じられています。これに対し、日本『産経新聞』によれば、著名人らがインターネット上で言論統制に反対する声明を発表するなど、統制強化への反発が強まっているようです(声明はBBC中文で見ることができます)。

一方、中国政府は内外のメディアに対し、中国のインターネット管理について公式見解を発表しています。2月15日付け『新京報』記事が、国務院新聞弁公室と外交部の見解を合わせて伝えています。

国務院新聞弁公室ネットワーク局副局長・劉正栄は北京で次のように述べた。「現在までのところ、中国ではインターネット上で言論を発表したというだけで逮捕された人はいない」。

劉正栄は内外の記者に中国のネット管理の方法を紹介した。彼は、中国のネット管理の方法は国際的に通用しているやり方に合致していると述べた。

彼はさらに述べた。中国のネットユーザーの言論は十分活発であり、内容は様々な方面に及んでおり、その中には政治性がかなり強いものも含まれている。ネット上のどのような行動が刑事責任を負うかについては、「インターネット・セキュリティの擁護に関する全人代常務委員会の決定」の中で明確に述べてある。

中国のインターネット市場は開放的で、海外企業が中国のネット市場に参入し、合法的に業務を展開することを歓迎する。中国は海外のネット企業の中国における合法権益を保護する。劉正栄は、いかなる企業も中国の法律を遵守すべきだと語った。

劉正栄は補足して、いかなる国家の警察や法律執行機関がネット上の違法行為を見て見ぬふりをするとは、理解できないことだと述べた。

劉正栄は、米国の「愛国者法」を研究したことがあり、この法は法律執行部門が如何に公民の個人情報と通信行為を取得するかについて、具体的に規定していると述べた。

次は外交部の意見です。

外交部報道官・劉建超は昨日午後、定例記者会見を開き、中国政府は法に基づいて、インターネットに対する管理を実行しており、できる限りにおいて違法なものや社会道徳に背くもの、特に青少年に有害なコンテンツがネット上で伝達されることを制限していると述べた。このようにする目的は大部分の公衆の利益を擁護するためであり、情にも理にも合うし、合法的である。外国企業が中国で活動しようとするなら、やはり中国の法律法規を守るべきである。

劉建超は、一部メディアと人物がGoogleとYahooに関連する状況について、中国を批判し、責めているが、私は彼らが中国のネット方面についての政策についてはっきり知らないのではないかと思っている、と述べた。

彼はまた、中国のネットの発展の中で、一部に有害な、さらには違法なコンテンツが現れたが、こうしたものに対し、各国ともそれぞれ政策と法規を持っている、と述べた。

中国新聞網では、劉正栄副局長が中国から閲覧できないサイトについて述べたことが報じられていますが、そこでも「中国の法律に違反した内容(主にポルノとテロ)だから」と説明されています。また、「ある特定の国や特定のサイトに対して特別の基準を設けているわけではなく、この措置の情報は透明性がある」、「中国で見られないサイトの数は非常に少なく、外国の有名サイトはすべて閲覧できる」とも述べ、ネット管理を正当化しています。

最後にBBC中文から、先の声明の一節を紹介しましょう。

歴史は証明している。全体主義の制度だけが新聞統制を必要とし、永遠に大衆に真相を知らせず、愚民政策を貫徹し、“一言堂”(自分の一存で物事を決める人)の永久不滅を謀ろうとする。しかし、無情な現実は証明している。悪性の新聞統制の土壌が、李大同、盧躍剛、杜涌濤、賀延光と、形弱にして質堅なる、永久の活力をもつ氷点グループを生み出すことを決定づけるのである。これは歴史の唯物論であり、これは生活の弁証法である。いかなる人の欲望によっても、それは動かすことはできないものなのである。

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2006年2月 4日 (土)

ネグロポンテの中国論(およびその周辺)

1月31日、ブッシュ大統領が一般教書演説において、中国(とインド)を「新しい競争相手」と初めて指摘しました。

これに次いで、アメリカ国家情報局のネグロポンテ長官が2月2日、上院特別情報委員会の公聴会に出席し、報告を行いました。この中で中国に触れた部分もあったようです。

日本『毎日新聞』によれば、ネグロポンテ長官は「中国にも言及し、『急速に国力を増しており、いずれ米国と同等の競争相手になりそうだ』と分析し」、「急速な経済成長で、国際的政治力が増し、軍の展開能力向上のための近代化推進が可能になったと指摘した」ということです。ここでは少しだけ中国脅威論的なニュアンスが窺えます。

ロイターの配信した記事は少しニュアンスが異なっているようです。

"China's rise may be hobbled by systemic problems and the Communist Party's resistance to the demand for political participation that economic growth generates," U.S. intelligence chief John Negroponte said.

"Beijing's determination to repress real or perceived challenges, from dispossessed peasants to religious organizations, could lead to serious instability at home and less effective policies abroad," he told a Senate committee looking into the range of threats to the United States.

共産党が人民の政治参加を拒んでいることが中国の台頭の足手まといになり、持たざる農民から宗教団体までのチャレンジを押さえ込もうとする政府の決断は深刻な不安定をもたらすかもしれない、と懸念を表明しています。

香港『明報』よれば、ネグロポンテ長官は以上の指摘のほか、「中国は現在、東南アジアや中央アジアで経済的、政治的影響力を増すために努力しており、それによって域内に反中国の国家が出現することを防いでいる」と述べたということです。ここには中国の覇権志向に対するアメリカの注意が見て取れます。しかし、「台湾に対する煽動的な言論が少なくなり、台湾の野党と接触、また経済的パワーで台湾人民の支持を勝ち取ろうとしている」と、両岸関係の緩和は評価しているようであります。

さて、一般教書演説、ネグロポンテ長官の証言に続き、3日には国防総省が「四年ごとの国防戦略見直し(QDR)」を発表しました。共同通信によれば、中国を「米国と軍事的に競い合える最も大きな潜在力を持つ国」と指摘してるそうです。

これに対して、韓国訪問中のアメリカのペース統合参謀本部議長が4日(アメリカ時間では3日)、「米中関係について楽観視している。共通利益は相違よりも更に大きい」、「経済的相互依存が深まれば、軍事衝突の可能性は小さくなる」などと述べています。さらに中国の軍事力拡大について一定の理解を示す発言もしているようです(AFP記事)。

中国を「競争相手」と位置付け、覇権拡大や潜在的脅威に注意しながらも、相互依存を深め、中国に「責任ある利害関係者」の役割を求め、さらには自由と民主の拡大を求めるアメリカの複雑な対応を見て取ることができます。

中国も冷静です。中国新聞網の記事は、ペース議長の発言をQDRとのバランスをとるものだと見ているようです。また、QDR中の「アジア太平洋地域において中国が建設的、平和的役割を果たすよう励ます」、「アメリカの目標は引き続き中国を経済的パートナーとし、世界にとって有利なパワーとすること」という部分も紹介しています。

台湾・陳水扁総統が最近行った大胆な発言に対し、アメリカが即座に批判的態度をとったこと(『毎日新聞』記事)に対し、当初、強い反発が予想された中国が沈黙を保っているという微妙な状況も、こうした米中両国の複雑な関係が反映しているのかもしれません。

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