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2006年3月26日 (日)

スティグリッツ、中国経済を語る

先日、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツ氏が中国の大学などでいくつか講演を行ったようです。以下に『中国青年報』の記事「スティグリッツ:政府は小さくなりすぎることに注意せよ」の抄訳をお届けします。

中国は政府が過剰反応すること、つまり、政府の規制の強い状況から一気に規制の少ない状況になることに注意すべきだ。

“十一五”(第十一次五カ年計画)要綱は総合的戦略で未来の政府の役割の問題を解決し、政府がどの領域で作用を発揮するか明確化した。中国がどのような市場経済モデルを選ぶにせよ、いずれも政府の役割は発揮させなければならない。市場も変調を来たすことはある。普通市場も必ずしも効率の最大化をもたらすものではない。政府と市場はバランスを保たなければならない。

最も重要なのは自分に適した市場経済モデルを選ぶことである。異なる市場モデルには異なるデメリットがあり、また異なった評価の指標がある。中国はどのような指数、指標によって、中国市場経済体制建設の状況を評価するのか考えなければならない。

ひとつ、重要なのは中間層の収入状況である。アメリカの過去5年間のGDPは毎年3〜4%の速度で増加しているが、中間層の収入は下降している。統計によれば、アメリカの中間層の収入は5年前より平均1500ドル下がっている。つまり、アメリカは豊かになっているのだが、貧しい人はかえって増加している。

もう一つ、重要な指標は環境指標である。もし、環境を代価としてGDPを増加させても、最終的には貧困を激化させるだけだろう。よって、経済成長を計算する時には、環境の損耗も計算に入れなくてはならない。

中国政府は人間開発指数(HDI)を評価システムの中に入れるべきだ。この指数は健康や受けた教育の程度などを含む。中国は歴史上、最も成功した貧困救済国家だが、中国のジニ係数はアジアで最高である。

中国が自主的で創造的なシステムを作るなら、知的財産権の過剰な保護を避けるよう注意すべきだ。

知的財産権の過保護の結果は低効率と独占であり、時にはイノベーションを阻害し、市場経済の回転を損害する。たとえば、専売特許障害のことである。今日、ソフト方面では数十万の特許がすでにイノベーションを阻害している。これら特許はたとえ一度読むだけでも多くの時間を消耗してしまう。

中国が知的財産権システムを作るなら、できる限り、世界の知的財産権システムとバランスをとるべきだ。特に薬物の領域では知的財産権の役割を最小限にする。現在、アメリカの医薬基金のやり方がいい方法である。新薬が開発されると、政府により買われて、公共産品に変わり、病人は安い価格でこの薬品を使うことが出来る。

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コメント

中国は「歴史上もっとも成功した貧困救済国家」ですけど、「歴史上」というところがいいですね。歴史下(書かれていないところ)や「現在」においては失敗する・・なんてことはないのでしょうか。

自分に適した市場経済といいますが、これはアホほど難しい。たいていの人は経済成長はすばらしいで終わってしまうわけで。

知的所有権に対するスティーグリッツの考え方は国家の強い中国だとかなり強力に保護するか、おもいっきりフリーになるのかの二極化を促しそうです。

内外の指摘にもめげず、中国経済には今年も暴走して欲しいですね。

投稿: ライター1 | 2006年3月27日 (月) 00時44分

スティグリッツの言葉が正確なのかどうかという問題もありますね。
さすがに言ってもいないことを記事にしてるということはないでしょうが、言ったことを記事にしていない可能性はあると思います。
スティグリッツの演説についてはもう一本記事があります。

投稿: ライター2 | 2006年3月27日 (月) 20時13分

 日本の高等特許裁判所に当たる組織をたくさん増やした方が良いよ、というお話ですね。

 日本では公正取引委員会の懲罰金が史上最高額を記録していましたが、今後は中国でもそういった事態が起こるようになるんですかねぇ。

投稿: Dice | 2006年4月10日 (月) 09時56分

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» [中国][経済]スティグリッツの中国経済論 [梶ピエールのカリフォルニア日記。]
http://dicenews.cocolog-nifty.com/2075/2006/03/post_07ce.html http://dicenews.cocolog-nifty.com/2075/2006/03/u_9b44.html  ↑こちらで『中国青年報』『新京報』に掲載されたスティグリッツの北京での講演の模様が紹介されているが、僕の愛読する『財経』3月20日号にもスティグリッツが寄稿(?)した論考が載っている。で、多分この中では『財経』に掲載されたものが一番長文だし、一番スティグリ... [続きを読む]

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