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2006年3月27日 (月)

スティグリッツ、中国経済を語る その2

前回のエントリの反響が大きいようなので、今回もスティグリッツの講演を報じた記事をご紹介します。『新京報』「ノベール賞受賞者が“十一五”を語る 中国の過剰な貯蓄はすぐになくなる」です。ちなみに前回は清華大学での講演で、今回は北京大学での講演のようです。

中央銀行は先日、住民の貯蓄願望が強まっていると発表したが、スティグリッツは「中国の過剰な貯蓄はすぐになくなるだろう。中国はその時のために調整政策を準備しておくべきだ」と述べた。

スティグリッツは「今日、進めている政策は幅広い柔軟性があるべきだ。それによって経済の需要の変化に合わせて相応の調整を行うのである」と述べた。スティグリッツの言う政策はすなわち内需を指向する政策である。「中国は将来、輸出によって経済成長を維持するのではなく、さらに多くを内需の拡大に頼ることになるだろう」。

スティグリッツは「ただ、資金は国内の消費を抑制する要素のうちの一つであるに過ぎない。中国は現在、市場経済に転換する過程にあり、社会保障システムが弱化している。時にはこの弱化が市場保障システムの樹立の速度よりもよほど速い」と分析する。しかし、彼は矛先を変えて、「明らかに我々はバランスを把握しなければならない。西側では、ある人は過剰に強大で設計の不合理な公共保障システムが貯蓄の減少とインセンティブの減退を招くことを心配している」と述べた。

スティグリッツは国家の“創新”システムは幾つかの方面を包括していると見なす。つまり、完全な教育システム。研究型大学や独立研究機構から基礎研究に対する有力な支持が行われていること。企業部門の知識の発展と転移を促進する政策、プロジェクト、制度があること。バランスのとれた知的財産権の制度があること。資金の来源があること。創新のリスクと失敗のデメリットを減少させる政策があること。

スティグリッツはバランスのとれた知的財産権制度の問題について特に重視して論じた。彼はTRIPSとWTOに加盟したことは多くのメリットがあったとしながらも、知識のギャップを縮小することはさらに困難になったと考えている。なぜなら、TRIPSの知的財産権システムはバランスのとれたものではないからだ。知財権は巨大な社会コストとなり、独占や価格の上昇、市場の歪曲を生み出している。これらがすでにある独占権の上に立てられたり、鍵となる領域にタッチする時、社会のコストは十分巨大になる。二つの状況下での先進国(とWTO)のスタンダードなやり方は知財権を迂回することである。つまり、強制許可証を使用し、不当な市場行為を禁止するのである。この手の不当行為は発展途上国(中国のような)では特に重大である。

「知財権のもたらす創新のメリットが十分に大きいときのみ、知財権の巨大なコストは受け入れることができるのである」。スティグリッツは中国はTRIPSとWTOの枠組のもとで、できる限り知財権制度のバランスを保護するべきで、強制許可証発行等の問題での柔軟性を含め、TRIPSを充分に利用すべきであると考えている。

スティグリッツは講演中、反独占の問題について述べ、「市場経済は十分な競争があって初めてメリットが生まれる。しかし、利益をあげる最も簡単な方法は独占である。参入障壁を通じて競争を弱めるのだ。だから、積極的にして用心深い反独占機構があることが重要である」と述べた。

「多くの競争を抑制するやり方はみな現地で発生している」。そのため、スティグリッツは全国的な反独占機構だけではなく、地方に反独占機構を設けることを建議した。

その他、スティグリッツは中国が市場経済に向かう過程で、利益集団の作用を防ぐ必要があると述べた。「ある人はエネルギーが低価格に抑えられていることがすでに利益集団の影響を体現していると考えている。もし、中国の市場経済が利益集団の影響を最小限度にとどめるならば、中国はまさに中国の特色ある市場経済を作り上げることになるだろう」。

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