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2006年4月17日 (月)

6カ国協議のゆくえ

中国の隣国・日本で先日、学術会議「北東アジア協力対話」が開催されました。これを機に、朝鮮半島の非核化をめぐる6カ国協議の代表らが東京に集結しました。この会議の開催には日本の元外交官・田中均氏の尽力があったとされています(参照)。

しかし、これと時を同じくして、北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさんの夫が、韓国人拉致被害者の金英南氏であるというDNA検査結果が発表されました。これを受け、日本の佐々江賢一郎アジア大洋州局長が拉致問題の解決を朝鮮代表の金桂冠次官に強く迫る場面もあったと報道されています。また、拉致問題が日朝両国の間だけの問題ではなく、国際問題化する形勢を見せています。

朝鮮代表団はこれに態度を硬化させたようです。4月13日には東京都内のホテルで「(6カ国協議再開の)遅延は悪いことではない。この間により多くの抑止力をつくることができる」という相当な強硬発言も飛び出しました(参照)。6カ国協議再開の糸口になるかと思われた「北東アジア協力対話」ですが、むしろ状況は悪化したように見えます。

DNA検査の結果発表は日本の安倍晋三官房長官が主導したとの推測が流れています。安倍氏は以前から「朝鮮半島の非核化」という地域安全保障よりも、拉致問題という二国間問題に利益/関心を有していた人物です。今回の発表により、拉致問題を国際社会にアピールすることはある程度できたと言えますが、6カ国協議再開を最大の目標としている中国や韓国からは戸惑いの声も上がっているようです(参照)。日朝国交正常化を実現させたい田中均氏=小泉純一郎首相と、拉致問題解決を優先させたい安倍官房長官との路線の違いにより、「北東アジア協力対話」という数少ないチャンスを十分生かすことができなかったと言えそうです。

そうは言いつつも、全て日本のせいというわけではないでしょう。金桂冠氏は来日当初、アメリカ代表のヒル国務次官補との会談実現について、非常に積極的な姿勢を見せていましたが、これは実現することなく終わりました。ヒル氏が北朝鮮に対し譲歩する姿勢を見せなかったことが大きな原因でしょう。前回の6カ国協議再開のきっかけが北京での米朝直接対話だったことと考え合わせると、アメリカの態度の硬化が目立ちます。北朝鮮の積極姿勢を前にしても、無条件での6カ国協議復帰を表明しないかぎり、二国間会談を開く権限を与えられてなかったのかも知れません。このところ、チェイニー副大統領など、対北朝鮮強硬派が台頭してきていると伝えられています。

6カ国協議のゆくえはどうなるでしょうか。

先に引いた13日の金桂冠氏の発言はブラフのように聞こえます。その心は“核開発を止めてほしければ、早急に金融制裁を和らげて6カ国協議を再開せよ”というところでしょう。中国の立場は平和的手段による朝鮮半島の非核化で一貫しています(中国の国益から言って、中国周辺国で紛争が起きて欲しくはないはず)。また、中国の改革開放をモデルにした北朝鮮の経済改革を支持する姿勢を見せています。つまり、「改革はするが体制は変更しない(させない)」という立場です。金正日総書記の極秘(?)訪中が大きなニュースになったのはそれを示すシグナルではないでしょうか。

政権内部の権力闘争によって一貫した政策を打ち出せない日米両国の動きを目にして、議長国である中国はイライラさせられることになるかもしれませんね。ただ、中国も最終的には北朝鮮に譲歩を求めることになるでしょう。

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コメント

2004年にアメリカで採択された『北朝鮮人権法案』によれば、拉致問題は二国間とはならないようですが。

在日の人も嬉しいのでは。

あと、平和的な手段で非核化って言うけれど東アジア(日中韓)で核武装しているのは中国のみですから。その主題は困るんじゃないですかね。

その際、米ロは?などというと東アジアに冷戦構造が残っている、にはまってしまうので注意。米軍基地は残っているけどね。

日本の自民/民主両党も同様の法案をおそらく次の臨時国会時に通そうとしています。ポスト小泉のごたごたを狙ってのことでしょう。これが通るんであれば安倍さんが首相でしょうね。

冬柴(公明)-安倍体制・・。好き嫌いの出る政権であることは間違いないでしょう。

前原さんや若手の議員は喜びそうですけどね。選挙は安泰だし。着実な政策論議が出来そう。


投稿: ライター1 | 2006年4月17日 (月) 19時46分

国際関係を定義する国内法って面白いですね。台湾関係法しかり。
ちょっとこのあたりを考えてみようかな。

非核化といっても、朝鮮半島の非核化ですから。
要するにNPT体制を守れってことではないですかね。
そのわりには米印核協力にはそんなに強い批判をしてないのですね。

投稿: ライター2 | 2006年4月18日 (火) 07時23分

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